こんにちは!内視鏡専門医・片野です。
前回は大腸の病気に関して、「大腸がんが増えている」ということについてお話ししました。
今回は、大腸の病気を早期に発見するための「大腸内視鏡検査(大腸カメラ)」についてのお話です。
☘ 大腸内視鏡検査をおすすめする方
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)は、肛門から内視鏡を挿入し、全大腸と小腸の一部を観察する検査です。直接大腸の粘膜を観察し、大腸ポリープや大腸がん、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)のほか、便秘や下痢の原因、出血の原因を調べることができます。また、切除可能な小さなポリープはその場で治療することもできます。
便潜血検査が陽性の方は必ず大腸内視鏡検査を受けてください。「たぶん痔のせいだろう…」「排便をしたときにちょっとこすれただけだろう…」と安易に考えるのはとても危険です。健康診断での便潜血陽性を放置した結果、大腸がんの治療の機会を逸してしまった方々をたくさん経験しています。せっかく早期に大腸がんを発見するために検査を受けたのですから、便潜血検査が陽性の方は必ず大腸内視鏡検査を受けましょう!
便潜血検査は簡便な検査ですが、たとえ進行大腸がんがあっても便潜血検査が陰性となってしまうことはよくあります。そのため、便潜血検査が陰性であっても、大腸がんやポリープが無いとは言えません。
大腸がんにかかる方は40歳頃から急増し、年を重ねるごとに増えていきます。大腸がんは、早期の段階で治療を行うことができれば高い確率で治癒できます。早期にポリープを発見し切除することで、大腸がんを予防することが期待できます。ですから、大腸内視鏡検査を人生で一度も受けたことがないという方は、便潜血検査が陰性であっても、40歳を過ぎたら一度は大腸内視鏡検査を受けましょう。
40歳以上の方(大腸がんは年齢とともに増加します)以外にも、以下にあてはまる方も大腸がんのリスクがある方と報告されています。
- 糖尿病
- 肥満
- 飲酒
- 喫煙
- 家族(とくに親・兄弟姉妹)に大腸がんを患った方がいる
これらに当てはまる方も大腸内視鏡検査をおすすめします。
☘ 大腸がんの症状は?
大腸がんを疑う症状には以下のようなものがあげられます
- 便に血が混じる
- 便秘 または 下痢
- 便がすっきり出ない。残った感じがする
- 便が細い
- 腹痛や腹部膨満感 など
しかし、早期の大腸がんは症状がほとんどないため、早期発見には大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が最も有用!!です。
☘ 早期発見で治癒が可能です
前回にもお話しした通り、大腸がんの死亡数は年々増加しています。一方で、大腸がんは早期に発見すれば、ほとんどが治癒可能な病気です。ごく早期の大腸がんに対しては外科的な手術ではなく、内視鏡での粘膜切除でお腹を切らずに治癒も可能です。
大腸ポリープ・大腸がんの診断のためには大腸内視鏡検査が必要です。梶の木内科医院では、内視鏡専門医による苦痛の少ない、安全で確実な大腸内視鏡検査を行っています。大腸がんを早期に発見する機会を逃さないように大腸内視鏡検査を受けましょう!
▶胃腸科ページはこちら(https://www.kajinokinaika.com/medical/stomach/)
[胃カメラ・内視鏡検査]
岐阜県可児市 医療法人梶の木会 梶の木内科医院 内視鏡専門医 片野敬仁