糖尿病治療をされている方へ、血糖値が高めの方へ
こんにちは。臨床検査技師の植村😊です。寒くなって血圧も心配な今日この頃ですね。
先日、糖尿病の新しいおくすりについて、スタッフの皆といっしょに勉強しました。この記事をご覧の皆さまとも、その内容についていっしょに学べたらいいなと思いまとめました。今回は「糖尿病の薬物療法」に関するお話です。
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すでにご存じのように、糖尿病のおくすりにはインスリンの注射剤や、血糖降下作用のある飲みぐすりが用いられますが、近年は「インクレチン関連薬」も使用されるようになりました。
「インクレチンってなあに?!」
インクレチンとは、食事をすると消化管から分泌されるホルモンのことで、インクレチンのなかまにGLP-1(ジー・エル・ピー・ワン)というホルモンがあります。このGLP-1は膵臓にインスリンを分泌するように働きかけるホルモンです。私たちが食事をすると小腸からGLP-1が分泌され、このホルモンのはたらきにより膵臓がインスリンを分泌します。そして、インスリンは血液中のブドウ糖を細胞に取り込み、細胞の中でブドウ糖はエネルギーとして利用されるのです。
このインクレチンのような作用をもったおくすりが、つまり、インクレチン関連薬です。
・・・実際に使ったことある?
インクレチン関連薬は、これまで、一週間に一度自己注射するタイプのお薬としてご使用になられた方も多いと思います。昨今、飲みぐすりとして経口摂取できるタイプのインクレチン関連薬が発売され、治療の選択肢が増えました。実際に、糖尿病の薬物療法には、「インスリン製剤」、「経口血糖降下薬」、今回の「インクレチン関連薬」があります。
まとめると、ドクターは、皆さまの体調や生活スタイルに合わせ、これらのおくすりを組み合わせて処方しています。用法・容量を守ってお使いいただき、上手に血糖値と付き合って、合併症なく健康な毎日を手に入れてほしいと願っています。
~ちなみに、糖尿病治療の歴史~
糖尿病治療薬の歴史は1920年代に遡り、インスリンの発見により技術革新を遂げてきました。それ以前はとくにⅠ型糖尿病においては死に至る病とされていたのです。1950年代にビグアナイド薬やSU薬が登場し、その後もさまざまな薬剤が使用されるようになり、治療の幅が広がってきました。今回の話題である、GLP-1受容体作動薬の注射剤が発売されたのは2010年になります。
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