本日は、京都で行われました日本プライマリケア連合学会学術大会 に出席してきました。今回は、WONCA(世界一般医・家庭医学会 アジア太平洋学術会議)との同時開催でした。
午前中の1つ目のセッションは、福井大学ERの林寛之先生と藤田医科大学ERの岩田充永先生とのコラボレーションで、「高齢者が元気になる救急診察室」というタイトルでした。
高齢者の方々は、訴えが典型的ではない場合が多いため、症状が乏しいように見えて影に重篤な疾患が隠れている可能性があることを、ERで経験された数々の症例を提示していただき改めて学びました。そして、「全ての患者に活力をもたらすことはできないが、全ての患者に親切にしてあげることはできる。良い医者に診てもらったという印象を与えることが大切である。」という最も大切な医師としての姿勢を聴き、とても共感でき心に残りました。
午前中の2つ目のセッションは、こだま小児科の児玉和彦先生、兵庫県立こども病院感染症科の笠井正志先生が中心となって、プライマリケア医としての小児の初期診療の考え方を、ミニレクチャーとグループワーク形式で受講しました。
特に小児科領域の救急疾患では、緊急性はないもの重症度が高い疾患の診かたを確認してきました。6月1日より小児科専門医を迎え、本格的に小児科診療にも力を入れていく当院としては、とても大切なメッセージをいただきました。
午後のセッションでは、「太郎・剛士の診断戦略・作戦診察室」というタイトルで、患者様と症状を見たときに、どう考えてどう診断をしていくかという論理的な思考プロセスと直観的な思考プロセスの違いを学び、特に救急の場面においては、直観的思考に基づく診断プロセスとそれを確実なものとする鑑別疾患の考え方を学びました。日々の外来診療の中で、できるだけ早く、しかも的確に診断し、必要な検査や治療に結びつけていくことは、私たち家庭医・プライマリケア医にとってはとても重要なスキルです。
毎年の恒例ではありますが、最新の治療や情報だけでなく、日頃の診療に直接関わる診療技術の自己研鑽ができるプライマリケア医としての学びは、とても楽しく明日からの診療にパワーを頂くものになりました。感謝!