新学期の体調不良や不登校を招かない気をつけるべき生活習慣とは!?
<長期の休み明けは体調不調が続出>
夏休みが終わり、新学期が始まると、朝起きられなくなったり、学校に行きたくなくなる子どもが増えることがあります。
これにはさまざまな原因がありますが、早めに対策を取ることで、元気に新学期を迎えることができます。
この記事では、小学校高学年の子どもたちや、その親御さんに向けて、夏休み明けの不登校の原因とその対策について分かりやすく解説します。
夏休み明けの子どもの栄養状態が悪い理由には、いくつかの理由があげられます。
1.生活リズムの乱れ
夏休みは、いつもより遅く起きたり、夜更かしをしたりすることが増えます。
その結果、食生活を含めた生活リズムが乱れ、新学期が始まっても朝早く起きることが難しくなることがあります。
2.休み明けの学校生活に対する不安やストレス
新学期が始まると、新しいクラスや新しい先生との関係がスタートします。
これに対して不安を感じる子どもも少なくありません。
また、夏休みの間に勉強が遅れてしまったと感じることが、学校に行きたくない原因になることもあります。
3.夏休みの楽しさが忘れられない
夏休みは、友だちと遊んだり、家族で旅行に行ったりと楽しい時間がいっぱいです。
その楽しさが忘れられず、学校の生活に戻ることに抵抗を感じることがあります。
その中で、特に食生活も含めた生活のリズムの変化や乱れについては、家庭内でも取り組むことができることが多く、とても重要なポイントと考えています。
<夏休み中の栄養不足が及ぼす休み明けの体調不良とは>
1.睡眠障害
夏休み中の夜更かしや遅寝が続くと、通常の学校生活の期間に比べて体のリズムが乱れ、朝早く起きるのが難しくなります。これにより、体内時計が崩れ、夜に眠りにつきにくくなったり、体が「朝はまだ寝ている時間」と勘違いしてしまい、なかなか目が覚めません。
また、休暇中は、テレビ、スマートフォン、コンピュータなどのスクリーンに触れる時間が増える傾向があります。特に、夜間にこれらのデバイスを使用することで、ブルーライトがメラトニンの分泌を抑制し、睡眠を妨げることがわかっています。
*Blocking nocturnal blue light for insomnia:Ari Shechte et al. J Psychiatr Res. 2018 Jan:96:196-202
2.疲労感の増加
夏休み中に運動量が少なかったり、昼夜逆転の生活をしていると、体力が落ちてしまいます。そのため、学校が始まると体がだるく感じたり、すぐに疲れてしまうことがあります。
また、食生活の偏りから、鉄分やビタミンB群が不足すると、エネルギーの代謝が低下し、疲労感が増します。特に鉄分不足による貧血は、全身の倦怠感を引き起こすことがあります。
3.集中力や記憶力の低下
オメガ3系脂肪酸やビタミンB群(特にB6、ナイアシン)が不足すると、脳の機能が低下して、集中力や記憶力に悪影響を及ぼします。これにより、学習意欲が低下することがあります。
4.免疫力の低下
夏休み期間中の食生活の変化から、ビタミンC、ビタミンD、亜鉛が不足すると、免疫機能が低下し、風邪や感染症にかかりやすくなります。そのことが原因で、長期休暇明けに学校に行くと、集団生活に戻ることで体調を崩しやすくなります。
5.情緒不安定やイライラ
マグネシウムやカルシウムが不足すると、神経系のバランスが崩れ、情緒不安定やイライラが増加することがあります。これが不登校や学校生活への適応が困難になる可能性があります。
6.消化不良や便秘
夏休み期間中の食生活の乱れから、食物繊維や水分摂取が不足すると、消化機能が低下し、便秘や消化不良が生じやすくなります。これにより、腹部の不快感や食欲不振が発生し、休み明けの学校でのパフォーマンスに影響を与えることがあります。
また、 学校に行くことへの不安やストレスが、胃腸に影響を与えることがあります。この「心の不安」が原因で、お腹が痛くなることはよくあります。
<不登校を引き起こす7つの避けたい食習慣>
1.不規則な食事時間
長期休暇中に食事時間が不規則になることで、体内時計が乱れ、睡眠リズムや集中力が低下します。
*Chrono-Nutrition: Circadian Rhythm and Personalized Nutrition:Marica Franzago et al. Int J Mol Sci. 2023 Feb; 24(3): 2571.
2.朝食の欠食
長期休暇中に朝食を摂らない習慣がつくことで、体重の増加や肥満、エネルギー不足や集中力の低下を招き、不登校のリスクが増大します。
*Chrono-Nutrition: The Relationship between Time-of-Day Energy and Macronutrient Intake and Children’s Body Weight Status:Sofia Vilela Journal of Biological RhythmsVolume 34, Issue 3, June 2019, Pages 332-342
3.栄養素のバランスの崩れ
長期休暇中に偏った食事(例えば、ファストフードや高脂肪食の増加)を続けることで、ビタミンやミネラルの不足が生じ、心身の健康に悪影響を与えます。
4.過剰な糖質の摂取
長期休暇中に糖分の多いお菓子や飲み物を過剰に摂取することで、血糖値の急上昇と急下降が繰り返され、情緒不安定や疲労感を引き起こします。
5.ビタミンおよびミネラル不足
長期休暇中に偏った食生活(例えば、野菜や果物の不足)が続くと、ビタミンやミネラルが不足しやすくなります。これにより、免疫力の低下、疲労感、精神的不調などが生じやすくなります。特に、ビタミンD、B群、鉄、亜鉛などの栄養素は、精神的な健康に重要な役割を果たしています。これらの不足が、鬱や不安を引き起こすリスクを高めるとされています。
6.水分不足
長期休暇中に水分摂取が不十分になると、軽度の脱水状態が続き、認知機能や気分に悪影響を及ぼします。これが学校生活に戻った際の適応障害につながることがあります。水分不足が集中力の低下や気分の変調を引き起こすことは、多くの研究で示されています 。
*Effects of Dehydration and Rehydration on Cognitive Performance and Mood among Male College Students in Cangzhou, China: A Self-Controlled Trial:Na Zhang Int J Environ Res Public Health. 2019 Jun; 16(11): 1891.
7.ジャンクフードの過剰な摂取
長期休暇中にジャンクフードを過剰に摂取することで、トランス脂肪酸が体内の炎症が増加させて、メンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性があります。ジャンクフードの摂取が多い子どもたちは、行動問題が増加し、感情が不安定になる傾向があることが確認されました。また、栄養価の高い食事を摂っている子どもたちに比べて、不安や抑うつ症状が顕著であることが、いくつかの医学論文で示されています。
*Fast Food Intake, Emotional and Behavioral Problems among Adolescents with Overweight and Obese Problems Participating in MyBFF@school Intervention Program:Zahari Ishak
SAGE OpenVolume 12, Issue 1, January-March 2022
<不登校予防の栄養素はこれ!>
1.タンパク質
タンパク質は、脳内の神経伝達物質の合成にも関与しており、精神的な健康や認知機能の維持に欠かせません。特に、タンパク質から合成されるは、トリプトファンというアミノ酸はセロトニンを合成する原料となり、気分を安定させて睡眠の質を良くします。長期休暇中にタンパク質の摂取が不足すると、精神的な不安定さが増して、学校生活への適応が困難になるリスクがあります。夏休み中の十分なタンパク質の摂取は、メンタルホルモンのバランスを維持し、集中力や注意力をサポート、これにより、学校生活への復帰がスムーズになると考えられます。
2.ビタミンB群
ビタミンB群は、エネルギー代謝において重要な役割を果たし、脳の機能をサポートします。特にビタミンB6、ナイアシン2は神経伝達物質の合成に関与し、気分の安定やストレスへの耐性を高める効果があります。また、ビタミンB12と葉酸は、ホモシステインの代謝を助け、脳の健康を維持する役割を果たします。
3.鉄分
鉄分は、赤血球の中で酸素を運ぶヘモグロビンの構成成分であり、全身の酸素供給に欠かせないミネラルです。また、鉄分は脳の発達やドーパミンやセロトニンといったメンタルホルモンの合成にも関与しており、特に集中力や記憶力、気分の安定に寄与します。したがって、鉄分不足は、全身の酸素供給が不十分になり、疲労感や倦怠感が増加し、特に成長期の子どもにとって、認知機能や精神的な健康にも悪影響を及ぼし、集中力や学習意欲が低下、学校生活に適応することが難しくなり、不登校のリスクを高める可能性る可能性があります。
また、鉄分の吸収を促進するため、ビタミンCを豊富に含む食品(オレンジ、ブロッコリー、ピーマンなど)と一緒に摂取することが推奨されます。
4.ビタミンD
ビタミンDは、免疫機能を高め、セロトニンの合成を促進し、気分を安定させます。したがって、ビタミンDが不足すると、うつ症状や不安感を引き起こす可能性があります。食事での摂取が難しいビタミンDは、天然由来型のビタミンD3製剤のサプリメントを摂取することで、適切なレベルを維持し、気分の安定化やストレスの軽減によって、不登校のリスクを減らすことが期待されます。
<まとめ~親子で楽しめる生活習慣の改善で不登校を克服しよう>
1.規則正しい睡眠のリズムの維持。
夏休み中でも、毎日、同じ時間に寝起きする習慣をつけましょう。親が一緒に早寝早起きを実践することで、子どもも自然と規則正しいリズムを維持できます。夜寝る前には、テレビやパソコン、スマートフォンなどを見るスクリーンタイムを控え、リラックスできる活動(読書、ストレッチなど)を親子で一緒に取り入れると効果的です。規則正しい睡眠リズムは、体内時計を整え、休み明けにスムーズに学校生活に戻ることがでるようになります。十分な睡眠は、子どもの集中力や気分の安定にも寄与します。
2.バランスの取れた食事を親子で楽しむ。
夏休み中に親子で一緒にメニューを考え食事を準備し、栄養バランスの取れた食事を意識して摂取します。特に、野菜やタンパク質、鉄分を含む食品をバランスよく取り入れましょう。料理を通じて栄養について親子で学ぶこともできますし、食事を楽しむことで、家族のコミュニケーションが深まり、食事の時間がリラックスできる場になります。
3.日中の親子での活動を増やす。
夏休み中は、日中に外での活動や運動を取り入れましょう。親子で散歩やサイクリング、スポーツなどのアウトドア活動を楽しむと良いです。また、家庭菜園やDIYなど、屋外での親子の共同作業もお勧めです。日中の活動は、身体的な疲労を促進し、夜に良質な睡眠を取るために役立ちますし、外での活動を通じて、紫外線を浴びることでビタミンDの生成が促進され、気分の安定や免疫力の向上にもつながります。
4.学習習慣を保つ。
夏休み中も、少しずつ学習の時間を設けます。特に親子で一緒に読書をしたり、簡単な学習ゲームを楽しんだりすることで、楽しく学ぶ習慣をつけることができます。無理のない範囲で、定期的に学習する時間を設けることが重要です。学習習慣を維持することで、夏休み明けの学習に対する抵抗感を減らし、学業にスムーズに戻ることができます。また、学習を通じて達成感を感じることで、自己肯定感が高まります。
5.家族で目標を立てて達成感を共有する。
夏休み中に、親子で達成したい目標を立てます。それが家族での旅行計画や、夏休みの宿題や工作などでも良いです。目標を達成したら、家族でお祝いする時間を持ちます。目標を設定し、それを達成することで達成感を味わうことができます。これは、自己効力感を高め、不登校の予防につながります。また、家族での成功体験を共有することで、家族の絆が深まります。
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