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クリニックコラム

炎症性腸疾患(IBD:アイビーディー)とは?

こんにちは!内視鏡専門医・片野です。

「内視鏡・炎症性腸疾患センター」がオープンし、本格的に大腸内視鏡の診療を開始いたしました。多くの患者さまから「検査を受けてよかった」というお声をいただき、私たちも励みになっております。ありがとうございます!

私はこれまで大学病院で炎症性腸疾患専門外来に携わってきました。今後も、当院で炎症性腸疾患の診療に力を入れ、より多くの患者さまに適切な治療を提供していきたいと考えております。

今回は「炎症性腸疾患」についてお話しします。

 

炎症性腸疾患(IBD:アイビーディー)は、再燃と寛解を繰り返し、慢性的に持続する腸管の炎症性疾患の総称です。代表的な疾患として潰瘍性大腸炎クローン病があります。潰瘍性大腸炎は主に大腸の粘膜に炎症が生じる一方、クローン病は消化管のどの部位にも発症する可能性があります。これらの疾患の原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的な要因に加え、食事や感染などの環境因子が影響し、腸内細菌叢や消化管免疫制御機構に異常が生じて発症すると考えられています。

IBDの臨床症状には、下痢、腹痛、体重減少、血便、発熱などがあり、これらは日常生活に大きな影響を与えることがあります。症状は患者さまによって異なり、寛解期と活動期を繰り返すことが多いのが特徴です。

近年、IBD治療においては目覚ましい進歩が見られ、新しい治療薬が次々と登場しています。これにより、以前は入院や手術が必要だった症例でも、外来で寛解を導入し、長期的な寛解維持が可能となっています。

当院のIBD治療理念「患者さまと医療者が共に歩む」というものです。治療においては、まず活動期に速やかに寛解導入療法を行い、その後の寛解維持療法を長期にわたって継続することが重要です。再燃を防ぎ、長期的に安定した状態を保つためには、内視鏡的な粘膜治癒や顕微鏡レベルでの炎症制御も重視されています。

また、新しい治療薬の選択肢が増えた一方で、すべての患者様に効果があるわけではありません。そのため、治療効果が減弱した際の見極めが重要です。

最後に、IBDの診断や治療効果の確認のためには、大腸内視鏡検査が非常に重要です。当院では、最新の内視鏡設備経験豊富な専門医が揃っており、質の高いIBD診療を提供しています。内視鏡検査を通じて、炎症の程度や治療の効果を直接確認し、最適な治療方針を立てることができます。IBDに関する不安や疑問がある方は、ぜひ当院にご相談ください‼

 

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岐阜県可児市 医療法人梶の木会 梶の木内科医院 内視鏡専門医 片野敬仁