今日は、「ポートメッセなごや」で開催されています第116回日本内科学会総会に参加してきました。日本医学会総会との合同開催のため、いつになく大変混雑した内科学会会場でした。
今回の内科学会総会では、中でも内科専門医部会で企画された「日常診療の診断プロセスを考える講演会」というセミナーがとても学びになりました。
当院には、様々な訴えの患者様が日々多く来院されます。
いわゆる「風邪」や「胃腸炎」、「高血圧」「糖尿病」「高脂血症」といったCommon Disease(コモンディジーズ)といって、
ごくごく普通にみられる疾患の患者様がほとんどですが、その患者様の中には、重大な疾患が潜んでいる場合もあります。
日常診療の中で、私たちプライマリケア医(家庭医)にとって、このような重大な疾患を見逃さずきちんと診断すること、
そして適切な治療を提供することはもちろん、必要とあれば専門医に紹介することもとても大切な役割と考えています。
その時に、まずは適切な診断をおこなうための思考プロセス(考え方)がとても重要になります。
いくら多くの経験や知識があっても、その過程でおこる認知バイアス(考え方の偏り)を修正し、
正しい情報収集と情報統合を速やかに行っていくスキル(技術)がなければ、適切な診断を行うことはできません。
今回のセミナーでは、診断プロセスにおける問題を、事例を通してその要因を解析し、そして問題を回避するためのアクションプランの作成も実際に行ってきました。
私だけでなく当院の坂井副院長も共に参加し、会場でそれぞれが作成したアクションプランを共有しました。
大切なことは、医師である「個人」と私たち「チーム」そして梶の木内科医院という「組織」が、
どう学び、どう協力し、どのような仕組みをつくるかということです。
こういったクリニック全体で取り組むことで、梶の木内科医院の診療現場において診断プロセスを向上させ、より質の高い診療を全ての患者様に提供できると確信しました。
明日は、日本内科学会総会と日本医学会総会のかけもちで、二つの会場を飛び回って学んできます。