腎臓内科
慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病(CKD)とは
CKDは、1つの病気の名前ではなく、腎臓の働きが徐々に低下していくさまざまな腎臓病の総称です。CKDの発症やその進行には、慢性腎炎のほか高血圧、糖尿病などの生活習慣病や加齢などが関係しています。
CKDを治療せずに放置したままにしておくと、最悪の場合は腎不全となり、人工透析が必要になる末期腎不全に至ることもあります。そしてそのまま放置すると、体の中の老廃物を排泄できなくなり、尿毒症となって死に至ることもあります。
慢性腎臓病(CKD)を来たすその他の疾患
多発性嚢胞腎
両方の腎臓にできた嚢胞の数が次第に増えて徐々に大きくなり、腎機能低下が進行する疾患で、遺伝性の腎疾患です。
多くは成人になってから発症し、70歳までに約半数で透析が必要となります。
高尿酸血症と腎臓
血液中の尿酸の値が高いまま放置すると、腎臓の働きが悪くなって、「痛風腎」と呼ばれる状態になります。痛風腎を発症すると、間質性腎炎となって慢性腎不全の原因となります。
痛風腎は糸球体には病変が少ないため尿蛋白はあまり出ません。また、腎結石・尿酸結石の原因となることがあります。
慢性腎臓病の早期発見
CKDの早期発見のためには特定健診をはじめとした健康診断での検尿と血液検査による腎機能(eGFR)の評価を行います。血清クレアチンを測定することにより、eGFRを算出することができます。
特に、検尿にてタンパク尿や血尿を指摘された方は、慢性腎臓病(CKD)の可能性もあります。早期発見のため、健康診断にて検尿の異常を指摘された方は、腎臓専門医の在籍する当院への早めの受診をおすすめします。
CKDは早期に発見して、食事療法をはじめとした生活習慣の見直しや、基礎疾患の高血圧、糖尿病のコントロールを行うことで、重症化を防ぐことができます。
慢性腎臓病の検査
尿一般検査
尿は、腎臓で作られて尿管、膀胱、尿道を通って排出されます。
この過程のどこかに問題があると、尿に異常がみられます。
健診で行われる尿検査では、尿蛋白、尿潜血、尿糖がわかりますが、尿蛋白、尿潜血を来す場合には慢性腎臓病が強く疑われます。
腎機能検査
血清クレアチニンは、筋肉で作られる老廃物の一つで、そのほとんどが腎臓の糸球体から排泄されます。そのため、血液中のクレアチニンの数値が高い場合、糸球体の濾過機能の低下を意味します。
ただし、血清クレアチニンの数値は、筋肉が多い人は高く、筋肉が少ない人は低い数値が出る傾向がありますので、判断が難しい場合は腎臓専門医にご相談ください。
腹部超音波検査
体の表面から超音波検査用のプローべ(端子)をあてて、腎臓の形、大きさ、内部の病変(結石、腫瘍、嚢胞の有無)を観察します。
痛みを伴わず、検査時間も約10分と短い検査です。